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「みんな、来てくれてありがとーっ!」
小さな小さな、学校の教室より少し広いくらいのライブハウスは、やっと半分くらい埋まってるというレベルだ。
手作り感あふれるデコレーションを施したステージの上で、チェックのミニスカートにパフスリーブのブラウス、紺のベストといった、今人気のアイドルの衣装を丸パクリしたような格好の女の子が、喉から絞り出した細く尖った声で叫ぶ。
彼女のファンらしき数人の男が、うおーっと野太い声をあげてサイリウムを激しく振った。
「うーん、思ってたのと違ったかなぁ」
隣に立っているマサトが顎に手を当て、ドヤ顔でつぶやいた。
マサトはぼくがクラスでつるんでる友達だ。アイドル好きってところで気が合ってなんとなく一緒に行動している。
「マサト、あの子好きなの?」
「いやぁTwitterでみた時は、すげーかわいいしもしやダイヤモンドの原石か!?て思ったんだけどさぁ。動いてるの見るとそーでもないなって」
「まぁ、写真なんかいくらでも盛れるしね」
と、ぼくも訳知り顔で答える。
なぜならぼくもこっそりTwitterでアニメキャラのコスプレして自撮りをアップしてるから。さすがに顔は晒してないけど。
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