第1章 旅の始まり、問いの始まり。

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問2「私は何が為せるのだろうか」 2019年、1月1日、有名youtuberが客死したニュースが飛び込んできた。 5年も旅していると、旅先で旅行者が亡くなった話を耳にする機会がある。 事件、事故、病気。死に至らなくとも、危険な目に遭うことは日常茶飯事だった。 忘れないように。 僕には、弱点がたくさんある。 肌が弱い。よく蕁麻疹が出る。 熱に弱い。日光と熱に敏感らしく、夏は何か羽織らないと生きていけない。 目が弱い。アルゼンチンで眼病にかかり、両目がよく炎症を起こす。 鼻が弱い。2011年被災地で粉塵を吸ったことにより、鼻腔が腫れる。 でも、どこでも寝れるし、胃腸が強い。 絵も描けるし、歌えるし、踊れるし、言葉も早く覚えられる。 そして、超、超幸運だ。 頑張れ。 人生は一度きりだ。 愛して、世界を輝かせろ。 ? 21歳。自律神経失調症で、日常生活もおぼつかないが、 泣きたいほどに、世界と関わりたいと思っている自分がいた。 時間が守れないから、迷惑がかかる。だから、働くのが怖い。 じゃあどうしようか。 「絵を描くしかない」という解が自分の中にあった。 自分の絵は、きっと世の中に役に立つ。 だから、絵を描いて、旅をして、自分の仮説を証明してみよう。 『笑顔絵クリエイター』 ダンボールに、筆で、肩書きを描いて、沖縄の路上に座ってみた。 『笑顔絵クリエイター あなたの笑顔を描きます』 いろんな人がちんちくりんの僕を見つけてくれて、対価を払ってくれた。 「何か、デパートとかにある似顔絵は書いてもらう気がしないんだけど、君の絵はいいね」 お姉さん、お兄さん、カップル、みんな嬉しそうにお代を箱に入れてくれた。 「ベル、信じられない、魔法みたいだ。」 「アオが信じている通りなのよ、現実は」 自分は狂っているのかもしれないな。 幸せな狂っている、女の子。 そんなものが存在しても、いいらしい。 確かに、旅する絵かきとして、僕は生きていた。 日銭を手にして、私はヒッチハイクで47都道府県を旅し始めた。 問2の回答「私が為したものに、私はなるのだ。」2009.2月。
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