6人が本棚に入れています
本棚に追加
問3「苦労は買ってでもするべきか」
じわじわと、自分が変化してきていた。
路上で絵を描きながらヒッチハイクで日本中を旅し、いつの間にか47都道府県を旅して、20万円ほど資金を集めた私は、それら全てを当時支援していたNGOに寄付した。
次は、何をしようか。
当時、メルマガを配信していた。購読者数は350人程。
旅が終わった、普通の学生に戻ります、と宣言する気にはなれなかった。
47都道府県の最後の土地、秋田県に到達した時に、自分の中で声が聞こえた。
「次は世界一周だ!」
次は世界一周なのか。そうか。
費用はどうする?ルートは?目的は?
PCの画面「Hello! I m Driss!(こんにちは!ドリスだよ!)」
当時、『skype(スカイプ)』という無料インターネット通話サービスが世界中に普及しており、
『skype me』という機能でオンライン中に誰でもコンタクトを送付できる状態にする遊びが流行っていた。
世界中の暇な男性が僕に電話をかけてくる。格好の暇つぶしだった。
着信があって、画面を開くとオナニーしている状態だったりしてね。
(男性はなんでオチンチンを人に見せたがるんだろうね。面白いよね。)
それはさておき 、ドリスの話だよ。
僕「HI! I m AO.(こんにちは!僕、アオ。)」
ドリス「Hi! Nice to meet you. nihongo mo hanasemasu yo(日本語も話せますよ)」
僕「Nihongo wa doko de oboeta no desuka(日本語はどこで覚えたんですか)」
ドリス「Nihon de hatarai te imashita(日本で働いていました) 」
僕「ベル、このドリスって人面白いね」
ベル「会ってみたら?」
僕「モロッコに行くってこと?」
ベル「そう」
ベルは面白くなってきた、と満面の笑みでくるくる回っている。
ドリスはアフリカの太鼓、ジャンベのミュージシャンだった。
僕「よし・・・行ってみるよ」
そうと決まったら、善は急げ。
モロッコで会う日を決めて、6月のフライトを予約した。
バルセロナに飛び、1週間かけて南下して、モロッコで落ち合う。
学生だから、クレジットカードの限度額が20万円で、
結局、お金は両親から少し借りた気がする。
使う機会はなかったけど、両親が応援してくれてる、気持ちが嬉しかった。
問3の回答「苦労は、お金を借りてでもしろ。」2009.6月。
最初のコメントを投稿しよう!