その後の二人

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「……っ……お前さ、それ、やめろよ」 「それって、どれ?」 俺は隆太の指を絡めた指で弄ぶと、そっと唇を寄せて、音を立ててキスを落とした。 唇に触れた指先に舌を這わせ、口内に咥え込むと、俺は堰を切ったように行為を加速させていく。 舌先で指の付け根からゆっくりと上になぞって、親指、人差し指、中指と順番に、入念に舌先で愛撫していく。 俺の愛撫に隆太は驚く程の反応を返してくれるから、ついついもっとしたくなる。 隆太はもしかして、指が、性感帯だったりして。 「……ぁ、お前、この状況でそれすんのかよ」 隆太が身を捩って俺の手から逃れようとする。それでも俺は止まれなくて、しつこく指の付け根に舌を這わせた。 やっぱり、性感帯、なんだ。 「もう、お終いだ。太一は、指がどれだけ感じるか知らねえんだろ」 「確かに隆太は、指を舐めると抵抗が弱くなるよね。そんなに、感じるの」 「知りたいなら、教えてやろうか」 「え……」 舐めている手とは反対の手が、俺の腕を掴んだ。その瞬間、俺の視界が大きく揺れた。 隆太の顔を恐る恐る覗き込めば、俺の視線の先で、茶色がかった瞳の奥がギラリと光るのがわかった。
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