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スタッフさんがやってきたのは、そのあとすぐのことだった。スタッフさんの顔を見るとすぐに、友美さんの顔色は普段通りに変わった。
「今日は来てくれてありがとう、また、遊びにいくからね」
お別れのときに、友美さんはかがみこんであたしの頭を優しく撫でてくれた。温かい手だ。
あたしはまるで、猫になった気分だ。飼い主から撫でられるのを待つ、そんな気分。
それで、撫でられると嫌じゃないから仕方なし、撫でさせてやるみたいなツンデレ猫みたい。
手をはなすと、友美さんは立ち上がって今度はあたしに向けて手をふってくれた。
あたしは少し恥ずかしくて手を降り返せなかった。
それでも友美さんはあたしの姿が見えなくなるまでふってくれた。
「楽しかったかい?」
「…うん」
「美空が嬉しそうでよかったよ、友美さん君を養子にしたいって言ってくれて俺は安心してるよ」
「どうして?」
「君がこんなにも柔らかく笑えるのは友美さんだからだと思うからだよ」
スタッフさんはいつもあたしのことを気にかけてくれていた人。それだけに、すごく嬉しそうに話してくれるのがとても誇らしかった。
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