2、 養子

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今までずっと、世界なんてつまらないと思っていた。みんなあたしのことなんて知らないふりをしていた。いらないふりをしていた。 そこに現れた、一筋の光。 それが、友美さん。すごく明るい向日葵みたいな人。 「美空ちゃん、おはよう」 扉を開けると、すでに友美さんがお迎えに来てくれていた。そして、その隣には雄太さん。 「はじめまして、美空ちゃん。君の話は、友美から聞いているよ」 そういうと、雄太さんはあたしと同じ背丈になるようにかがんでくれて挨拶と軽く会釈をしてくれた。そして、大きな手があたしの前に伸びてくる。 「よろしくね、僕は雄太」 「あ、よろしく、おねがいします」 少し恥ずかしいけれどゆっくりと手を伸ばす。あたしの手が雄太さんのところに届くまで無理やりつかもうとせずに焦ることなくジッと待ってくれていた。 優しい人だ。 雄太さんも友美さんと同じ香りがする。これは、洗剤の匂いだろうか。 この香りがこの家族に香りなのだろうか。 そんなことを考えるとワクワクが止まらなくなっていた。
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