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「さぁ、今日は僕たちと遊びにいこう。遊園地がいいかな?」
「水族館かしら?」
「美空ちゃんはどこへ行きたい?」
気にかけてくれる二人に少し照れ臭い。こんなにも優しくしてくれた人たちが自分の家族になってくれるのか。
「二人と一緒なら、どこでもいい…」
くすぐったい気がした。本当の家族のように思えて仕方がなかった。
「そうだな、じゃぁカフェしてから遊園地へ行こうか」
雄太さんがニコッと笑ってあたしに提案してくれた。あたしはうれしくてすぐさま頷いた。すると、友美さんっもすごく嬉しそうに笑ってくれた。
雄太さんの運転で、あたしたちは遊園地へ向かう。その道中で、友美さんや雄太さんはいろんな話をしてくれた。
仕事での面白い話や、少し変わった人の話など。けれど、一通り話し終えると無言の時間がやってきた。赤信号になって二人はチラチラとあたしのことを気にし始めた。気になって二人の顔を交互にのぞいてみると、にっこりと笑い返してくれたが二人はお互いを見つめあいうなずいた。
「美空ちゃん。伝えておかなくちゃいけないことがあるの。
この前、あなたと鉢合わせた男の子がね、私たちの子どもなの」
前に友美さんの家にいったときにひかると出会った日のことを思い出した。
「ひかるって言うんだけどね、この前はあんな態度で迎えられて驚いたでしょう。ごめんなさいね」
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