1人が本棚に入れています
本棚に追加
「う、ううん。あたしこそ、ごめんなさい…」
雄太さんも、あの日の出来事を知っているのだろうか。あたしは、二人に嫌われたりしないだろうか。何か変なことを言ってしまって怒らせたりしないだろうか。
あたしは、折角こうして仲を深めて行けたのにそれがオジャンになるのが怖かった。
「少し不器用な子なんだ」
運転している雄太さんが、ボソッとあたしに聞こえるくらいの声で言い放った。それは、この夫婦自身にも言い聞かせているのかと思えた。
「いきなりだったからびっくりしたのかな?」
あたしはこれ以上足を踏み込むべきではないと思い、彼について自分から深く聞くことはなかった。当然、初対面の時の話もこの場ではするべきではないだろうと自分の中にしまい込んだ。
自分から聞くことはなかったけれど、彼のことをこの夫婦は今話すのかな?としばらく様子を見ていた。
妹がいた話も知っているけれどそれは話をにでてくるのだろうか?あたしは、少し興味をもって話を聞いていたけれど、そのあと車の中で話題に出ることはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!