1人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしは、ベッドから降りてあたしをキョロキョロ見回した。もう気が付けば辺りは夜で暗くなっていた。
スタッフの人たちがせわしなく廊下を動き回っている。夕食の時間だ。
あたしは、そんなスタッフをよそに、夕食の場所へと向かうことにした。
友美さんたちは、家に着いたのだろうか。あったかいご飯を家族で囲んで食べているのだろうか。
あたしは、お昼一緒に過ごしたことを思い出していた。二人は本当の子どものようにあたしに接してくれていた。養子になれば、またあの二人ともご飯を食べることができる。
そんな日が徐々に近づいていることを身をもって感じることができて、笑みがとまらなかった。
「おや、美空ちゃん、今日はいつにもまして嬉しそうだね」
食事担当じゃないスタッフさんが、あたしがニコニコしていることに気づいて話しかけてきた。
「今日が楽しかったんだね。友美さん、美空ちゃんと離れるときすごく悲しそうな顔をしていたよ」
どうやら、お迎えにきてくれたのはこのスタッフさんのようだ。あたしが寝ていた時の様子をもっと教えてほしくて、あたしはスタッフさんを見上げた。
「教えて!その時のことっ」
スタッフさんは、もう夜が遅いから少しだけだよと言ってあたしにその時の様子を教えてくれた。
友美さんはいつ、あたしを養子にできるか、今度いつ遊べるのか等を聞いてくれていたらしい。そのことを知っただけでも、あたしはとてもうれしくなった。
最初のコメントを投稿しよう!