3、 ようこそ我が家へ

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今まで孤児院にいたから、親のいない生活をずっとしてきた。孤児院のスタッフの愛情も沢山の子供がいれば、家庭にいる子のように愛情を独り占めなんてできない。 だから、親のいないさみしさも親のいる有難味も人一倍っ知っているつもりだった。 だから、あんなに傲慢な態度をとるひかるに切れそうになった。 「いい加減にしろ…!」 怒鳴り声の主は、雄太さんだった。雄太さんが怒ると、ひかるは目に涙をためて今にも泣きだしそうな表情に変わった。 それだけ、雄太さんがひかるにとって怒られたら怖い人物なんだと思う。 「お前が決める話じゃない」 その一言が放たれると、大きな涙の粒をこぼしながら一目散に家から出て行き外へと逃げ去った。 「ひかる!」 友美さんの制止の言葉も聞かずに、出て行ってしまった。 「すぐに戻るさ」 雄太さんは、それ以上何も言わずにリビングへと向かっていった。オロオロする友美さんの横で、あたしはどうすればいいのか戸惑うばかりでなんてフォローすればいいのかわからなかった。 「ごめんなさいね、昔はあんな子じゃなかったの。妹のことも大切にする優しい子だった」 何も言えなかったあたしに代わって、友美さんが口火を切った。
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