3、 ようこそ我が家へ

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そのあと家に帰ってきてからは、とことん怒られた。あたしもあたしで急に飛びだしたものだからと心配された。 それでも、友美さんも雄太さんもぎゅっとあたしを抱きしめてくれた。 この温かい家庭に、ひかるは何を不満に思っているのだろう。 あたしからすれば、こんなにも素敵なおうちに生まれてきたこと自体が羨ましくてしかたがなかった。 自分のおかれた環境がどんなに恵まれているかなんて、当たり前になれば気づきはしないのかな。 まだ家族になりきれていないあたしは小さいながらにそんなことを思っていた。
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