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春爛漫、新しい制服に身を包む。あたしはわくわくが抑えられなかった。
「友美さん、おはよう!」
「あら、美空ちゃんおはよう」
「朝御飯作るの手伝うよ!」
「ありがとう、ゆっくり休んでくれていいのに」
この家に来てもう何年たっただろう。相変わらずひかるの態度は気にくわないけれど、あたしはとても幸せに暮らしていた。
朝、こうして一緒に台所にたつと幸せが噛み締められる。家族なのだと感じられる。
「今日もひかるは帰ってこなかったの?」
「ええ、今日が入学式だと言うのに、気にせず友達の家からいくって」
心配そうに話しているけれど、ひかるは気にも留めていないのだろう。
あたしは年がたてばたつほど、ひかるのことが嫌いになった。
一緒に暮らしてきてわかったことと言えば、あいつが毎日反抗的であること。
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