4、 あたしはあんたが大嫌い

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アイツと同じ学校が嫌で死に物狂いで勉強して手に入れた平穏! 今度こそあたし自身を見てもらうんだ! ガヤガヤと賑やかな校舎に、あたしと同じ新入生がわんさかいる。しかも皆アイツみたいに下品なやつなんていない! アイツ抜きであたしを評価してもらえる。 あたしはドキドキして仕方がなかった。 席にすわるとすぐに隣の席の女の子が声をかけてくれた。 「はじめまして、あたし春花っていうの!よろしくね!えっとあなたは」 「友野 美空」 「美空ちゃんか!みーちゃんっ」 すごく人懐っこく笑う春花は、なんだか柴犬みたいに見えた。早速あだ名をつけると、春花は他の人たちにもあだ名をつけ始めた。 「春花~、あだ名どんどんつけすぎ」 春花の背後からやって来て、どんと抱きついてきたのは、春花よりも小柄な女の子だ。 「桜ちゃん!えへへー、皆と仲良くなるためには、まずあだ名かなと思って!」 キラキラ目を輝かせる春花に、桜はため息をついた。 「あんた体弱いくせに張り切るから、たぶん明日熱出すよ」
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