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「友野さんだっけ?あたしは桜。
ごめんね、この子すぐにあだ名付けちゃうの」
「あ、大丈夫。仲良くしてもらえてうれしい」
小柄な桜は、春花と違いすごくさっぱりとしたボーイッシュな女の子のようだった。何でも小さいころから仲がいいらしく、タイプが全然違うけれど一緒にいるという。
「それにしても、友野ってどこかで聞いたことあるんだよね」
うーんと悩みだして考え込む桜に、春花はニコニコして何も考えていないように見えた。けれど、急に「あ」と言い出すとポンと桜の方に手を乗せた。
「あれだ、ひかる君だ」
「あ、ひかるか」
え、まさかこんなところでアイツの名前が出てくることにあたしは驚きを隠せず言葉を発することを忘れ、目を丸くさせてしまう。
遠くの高校を選んだのに、なぜ二人はあんなやつを知っているのだろうか。ショックと同時に好奇心がわいてきた。
「友野 ひかるだ」
あたしのことなど気にも留めず、桜はどんどんと思い出してきたようでアイツのことを話し始めた。
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