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「びっくりしたよ、あんな明るかったひかるが年上に突っかかるようになって、挙句の果てに荒れているとは」
「そんな男の子がいるんだね、こわいなぁ」
まだ、あたしとアイツが兄弟だと思われていないようだ。ただ、苗字が同じってだけで思い出したのだろう。あたしは、必死で隠すことにした。
折角ここまできたのに、アイツと兄妹と知られることで、きっとあたしを見る目も変わってくる。きっと、この二人だって一緒だ。
わかれば、あたしのことを白い目で見るんだろう。全然関係ないということをわかってもらうまで、何度も話しかけたりと仲を深めていかないいけなくなる。
それは絶対に嫌だった。
「あたしは足を洗ったから、もうそんな噂も入ってこない。ひかるが、今はどうしてるか知らないけどね」
「きっと元気でやっているよ」
「あんたどこまでいっても能天気だよね」
あははと笑っている春花はどこまでも無邪気だと思った。このころから春花の底抜けの明るさに、あたしは少しうらやましく思えていた。
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