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それからというもの、友美さんはことあるごとにあたしのところへやってきた。
そして、たとえ10分でも話をして帰っていく。
次第に、あたしも友美さんと話すことが楽しくなってきた。心を開くようになっていった。
彼女はいつだって笑顔で話しかけてくれるから、なんだかあたしまで笑顔になれるような気がした。
施設長先生も、最近はなんだか楽しそうねなんて笑いかけてくるようになった。
「ねぇ、美空ちゃん。今度、私の家に遊びに来てくれないかしら?」
友美さんとずいぶん仲良くなって、友美さんがあたしを家に招待してくれることになった。
園長先生曰く、友美さんはあたしを養子にする気持ちは変わっていないらしい。
それどころか、前にもましてあたしを養子にしたいと口にするようになったらしい。
本当にこの人は変わっている。けれど、この人となら、あたしはうまくやっていけるような気がした。
「うん、行きたい」
「本当!?じゃぁいつにしようか?
来週の土曜日なんてどうかしら?美空ちゃんの大好きなハンバーグを一緒に作りましょう」
あたしの一言でこんなにも喜んでくれる友美さん。友美さんの家の子になれたら、きっと幸せなんだろうなとも思い始めるようになっていた。
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