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男の子の目はとても鋭く、相手を今にも刺し殺しそうな眼をしている。なんて冷たい目なんだろう。あたしは、そう思った。
「あー、ごめんね。今、品切れなんだ」
「はぁ?いつも用意しとけって言ったじゃん」
なんと傲慢な態度なんだろう。ギラリとスタッフのお兄ちゃんをにらみつけた。
それに、コイツ、口が悪い。あたしは、一気にコイツのことが嫌いになった。
スタッフのお兄ちゃんが申し訳なさそうに謝っているのにもかかわらず、男の子は風船ガムを膨らましてしぼませてと、偉そうな態度をとってお兄ちゃんに言い放つ。
「なんだよ、おっちゃん。ほんっとつかえないな」
「ちょっと、アンタ」
「なんだよ、チビ。お前は黙ってろよ」
ついに耐え切れなくなったあたしが、コイツの服をつかみにかかると少し切れた口調がさらに攻撃的なものへと変化する。
「さっきから聞いてたら、アンタってやつはさ、
人への態度ってものを知らないの?目上の人には敬語を使いなさいって習わなかった?」
「知らねーよ」
「ふーん。それじゃぁ、今教えてあげるわ。
おっちゃんじゃなくてお兄ちゃん。偉そうな態度とってんじゃないわよ」
負けじと高圧的な態度をとると、男の子は少しだけビクッと肩を震わせた。怖いのだろう、先ほどの表情よりも幾分かこわばっている。
もう一押しかな。
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