1、 友野家

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友美さんの家は閑静な住宅街の中にどっしりと構えていた。 お金持ちであることがうかがえる。あたしは、その大きな家を見上げて、友美さんの姿を探す。 「あ、」 いた。2階でちょうど洗濯物を干しているところだった。 「美空ちゃん!!」 あたしを見つけると、すごく嬉しそうな顔をする。この人は、すごくコロコロと表情が変わる。それがとても面白くて、見ていても飽きない。 「ちょっと待ってて!すぐに降りるから」 洗濯物を干していたけれど、すぐに応対してくれるのが嬉しい。すこし頬が熱くなった気がした。 バタバタと階段を駆け下りる音が聞こえる。よほど急いでいるのだろう。 階段を降りる音がやむと、次はすぐさまドアがバンッと開く。 「こんにちは!美空ちゃんっ、来てくれてありがとう。  すごくきれいな洋服を着ているのね、とてもかわいらしいね」 あたしと同じ背丈にかがんで、挨拶をしてくれる。そんな友美さんが優しい。 「招待してくれてありがとうございます」 「すっごく楽しみにしていたの」 「今日は、よろしくお願いいたします」 スタッフさんが深々とお辞儀する。その姿を見て友美さんも深々と頭を下げた。 そして、スタッフさんはあたしの方を見て、あたまを撫でる。 「今日はうんと楽しむんだよ」 そういうスタッフさんの優しさが、いつにもまして身に染みる。前まで、自分の周りの優しさなんて気にも留めていなかったのに。
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