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「あんたの意見をお聞かせ願いたい」
「なんなりと」
赤毛の目は相変わらず静けさをたたえている。タトゥーだらけで、どこからどう見てもカタギじゃない俺をなんとも思わないらしい。
「料理人の子は料理人で、理髪師の子は理髪師で、ムービースターの子はムービースターだというなら、親を知らない俺は大人になってなんになればよかったんだろう?」
「ギャングはギャングだ」
男はうっとりと言った。
まあ、その通りだ。
親が何であれ、ギャングはギャング。俺は腑に落ちた。
「殴るか、ファックするか早く」
他人から選択肢を提示されることほど腹の立つことはない。
俺はキレて変態の赤毛を殴り、蹴り、ファックした。赤毛はよがりまくって何度も果てた。全てが終わって俺は気づいた。相手の希望を二つとも叶えてしまったことに。
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