1、ヤングギャングスタ

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 そこまで話して様子をうかがうと、赤毛はまだ笑っていた。 「なぜ笑う」 「失礼、君が、君たちがかわいそうで、つい興奮して」  俺は大きくため息をついた。  明らかにカタギじゃない俺に話しかけ、あげくの果てに「部屋で一杯」なんて、おかしいと思うべきだった。俺だってたまには誰かから恐れられたり、怯えられたりせず、ただ静かに最近読んだ本の話とか、フットボールの試合についてだとか、おだやかに話したい夜がある。だから誘われるままにのこのこと、バーでたまたま隣だった知らない奴の部屋に足をふみいれた。  まともそうに見えたんだ。俺のことをびびらないって時点でおかしい奴だと疑うべきだった。  俺は柔らかな髪を一握り乱暴につかみ、そのきれいな顔を上向かせる。
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