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新しい仲間
そこは思いのほか日当たりのいい場所だった。長い移動を終えてたどり着いた僕は、腰を下ろして一休みした。
「よう、新入りかい?」
片手を上げて気さくに話しかけてきたのは、僕よりかなり年上らしい男だった。先住者に対し、僕はぺこりと頭を下げた。
「のんびりしていきな。ここに来たからといって、すぐに『呼ばれる』わけじゃないから」
男の言葉に、僕は耳を疑った。
「え、そうなんですか? 僕はすぐに『呼ばれる』と思って来たんですが」
男は笑った。
「俺もそう思ってここにやって来た。でもな、こうしてここで日向ぼっこする毎日さ。……もう二年になるかな」
「そんなに……!?」
僕は言葉を失った。目の前の男の顔はよく日焼けしている。年上だと思ったのは、日焼けで肌が荒れているせいだった。二年も日向ぼっこしているというのも、嘘ではなさそうだ。
「まあ、ここまで来たのも何かの縁だ。せっかくだから、ボスに挨拶するといい。もう十五年はここにいるベテランだ」
「十五年……。まさかそんなに長い間『呼ばれて』いないんですか?」
僕は自分の声が震えていることに気づいた。
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