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私は久しぶりに本棚の整理をしていた。本が入りきらなくなってきたのだ。棚に並べられた本の隙間に横にして押し込んだり、本棚の前に積み上げたりしてきたが、とうとうごまかしきれなくなっていた。
狭い賃貸アパートでは本を置く環境に気遣うこともできず、本には直射日光が当たってしまっている。背表紙が日焼けしているものがあるので昔の本かとタイトルを確認したら、二年前に買ったものだった。しかも、読んだ記憶がない。
この本棚を見た人は私を読書家だと思うが、実はかなりの量の「積読本」が含まれている。そのときは確かに読みたいと思って買ったはずなのに、本棚に入れてそのままにしてしまう。そしてまた別の本を買ってくる。
そんなときは、「積読本」たちに少し罪悪感を覚える。せっかく読まれると思っていたのに、あとからやってきた新入りが読まれたら面白くないだろう。
作者名ごとに本を並べ直していた私は、先日買った本のことを思い出した。書店でカバーをかけてもらったが、カバーをかけたままだと何の本かわからなくなって読みそびれてしまうので、カバーを外して棚にしまおうとした。
「あ」
一人きりの部屋で、思わず声を上げた。同じタイトルの本が、本棚にはすでにあった。高校生のころに買ったので、もう十五年はここにある。あのころは難しいと思ってすぐに読むのをやめてしまった。そして先日、「高校時代に読もうと思っていた本が新装版で出た」と思って書店で買ってきたのだ。
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