prologue

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部屋のライトは少し暗め、可奈の好きなBGMに、机にはショートケーキ 彼が可奈を席にエスコートする。 可奈は彼に体を預け静かに腰を下ろす。 なんだか夢のよう… そう可奈は心で呟いた。 瞳に映るキラリと光るそれを見つけると視界がボヤけて鼻がツンとした。 瞳から溢れる粒がポタポタ、ポタポタと止まらず流れる。 ーーーー ーーー頭のてっぺんから足先までこんなにも幸せだと思った事は人生で生きてきて一度も無かったーーーーー 3センチの小さなヒールをコツコツと響かせ朝の通勤を急ぐ可奈。 顔には元気はなく、目は少しだけ腫れ何となく赤い 可奈は電車に乗り昨晩の出来事を思い出していた。 可奈には6年付き合っていた1歳下の彼がいた。昨日は可奈の28歳の誕生日で 同棲していた家でお祝いをしていた。 ご飯を食べてソファでくつろいでいた時慎二は緊張しながら口を開いた。 可奈と呼ぶ声は震えていたので、可奈はプロポーズの言葉が脳裏をよぎった、 可奈も小さな声で、『はい』っと答えた。 慎二は優しい大きな手で可奈の両手を包み込み頭を下げた。     
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