《2》

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 例えば小学生の頃、女優やアイドルに憧れるクラスメイトが出始めた時も、既に私はそれを冷めた目で見ていたと思う。だって、自分の傍に圧倒的に美しい由衣がいたから。由衣を見ていると、自分が平凡であることを早くに認めざるを得なかった。  同じクラスだったことも違うクラスだったこともあるけれど、由衣はどの年もそれなりにクラスメイトとは上手くやっているように見えた。  それなのに、家が近所以外に大した接点もない由衣が、何故いつまでたっても私の傍にいるのか、我ながら不思議だった。 「いいな、幼馴染。俺、そうゆうの憧れるかも」  私の思考のトリップを、鹿嶋くんが引き戻す。  鹿嶋くんに話しかけられて嬉しい筈なのに、話題が由衣のこととは、少し複雑な気もする。 「うぉーい。始めるぞ。席に着け」  テストの束を持った担任が教室に入ってきて、結局私は碌に鹿嶋くんに返事が出来なかった。
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