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思っていたよりも早く、自転車は大通りに着いた。
バス停にいる他校の生徒の群れを潜り抜ける。周りの視線が、由衣に集まっていると思うのは私の気のせいだろうか。
高校から最も近所のコンビニを越えた辺りで、息が切れてきた。
歩いていると分かりづらいが、高校まで続く道の最後の300メートルは、緩やかな上り坂になっている。
一気に速度を落とした私の自転車は、隣を歩く同じ高校の生徒とほぼ同じスピードだった。
さすがにキツい。
やっぱり今度改めて電動自転車を買ってもらえるようにお願いするか、塾に行くのに必要だからと言うのはどうだろうか。そんなことを考えていたら、
「下りよか?」
返事より前に、自転車が一気に軽くなった。
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