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火星の影からビーム砲撃が飛来してくる。ダークマターがビームをかく乱し、シールドが余裕を持って防いだ。
「ガンダムシリーズが集結してる……」
「あいつら火星に何の恨みがあるんだか……」
戦火は広く、迂回するには時間がかかりすぎる。
「カルピス、突っ切るぞ!」
「護衛は任せろ!」
甲板に青色の機体が立つ。背中から連なった棺のようなコンテナが、翼のように展開している。コンテナから刀を出し、両手に構えた。甲板から跳躍すると、物理砲弾をぶった切り、ビームライフルをコンテナの翼で防いだ。二つに切れた砲弾がアルカディア号を左右に逸れ、遠くで爆発する。
「ヴァーダントって宇宙でも動けるんだ」
俺の呟きが通信を介してカルピスに届いた。
『ゲームだからな』
ガンダムエクシアの剣戟を弾いた後、プロトタイプガンダムのビームサーベルを弾き飛ばす。
「えぇ。なら、ジプシー・デンジャーのままにすればよかった……」
『どうせなら、歩行要塞バラムを見たかった』
「そんなものは置いてきた」
三連装砲が回転し、ホワイトベースへと狙いを定めた時、青白い光が視界いっぱいに広がった。眩んだ眼が暗さに慣れてくる。巨大な小惑星を丸々内蔵したような宇宙船が戦闘宙域に向かってきていた。
「カルピス戻れ! シドニアだ!」
ヴァーダントが着艦する。その瞬間、ハイパースペースを抜けたスターデストロイヤーが艦載機を出し、シドニアに向かって攻撃を開始した。
「全速前進! このままだとマクロスまで出てきかねん!」
スターデストロイヤーから出てきた赤と青のロボットが正面に立ちはだかる。それは太い腕を持ち上げると、巨大な銃を俺達がいる艦橋に向かって突きつけた。
「脱出だ、カルピス!」
俺はインベントリからワープスターを取り出す。俺は戻ったばかりのカルピスをひっつかむと、ガラスをぶち抜いて宇宙へと飛び出した。
「あぁ! 俺のアルカディア号!」
炎に包まれながらも何とか脱出する。苦労して手に入れたアルカディア号が宇宙の藻屑になろうとしていた。
「どうせなくならないんだからいいじゃん」
のんびりとした口調で言うカルピスを無視して、俺は土星へと飛んだ。
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