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俺たちは扉を蹴り開け、金髪の剣士に向かってドミネーターを向ける。剣士の二人は鬼のような形相でこちらを睨みつけた。
「おー、こわ」
迫りくる剣士に向かって容赦なく引き金を引く。彼らはワンテンポ遅れて光となり消えた。
「悪いな、俺はスコール派だ」
銃を下ろす。他にプレイヤーは居ないようで物音一つしない。正面には一つの二つの玉座と、巨大な飾り棚がある。飾り棚は二つの剣が交差する装飾が施されていた。カルピスが言った。
「なんか見覚えあるな。ちょっと試してみたいことあるから、手伝ってくれん?」
俺とカルピスが左側から飾り棚を押しこむ。棚は少しずつ動き、さらに奥へと続く隠し通路が姿を現した。
「さすがです。カルピス様。で、元ネタは?」
「ゼルダの神トラ」
中は正方形の開けた空間で、黒い棺が安置されている。鍵は黄金色をしており『DIO』の三文字が刻まれていた。
「……どやべぇのが出てきた」
「外におびき出して戦うぞ」
カルピスが太陽銃ガン・デル・ソルを取り出すも、ここではあまり役に立たない。もちろん、棺は固定されており運び出せるものではない。
俺はカルピスに目配せをすると、一思いに棺を開け放った。
「もっとやべぇのが出てきた……」
黒い短髪に四角い顔をした大男が、腹筋の力だけで上体を起こす。四角いサングラスの奥で赤い光が灯った。
「ターミネーターだ! 逃げろ!」
「え?」
「逃げるんだよォ! カルピス!!」
どこからともなく取り出した銃を撃ちながら、ターミネーターは追ってくる。何とかエネルギーフィールドで弾丸を防いではいる物の、長くは持たない。俺たちは川まで戻り、流れに飛び込んだ。
「カルピス。お前とはやりたくなかったが、これしか策は無い。それにはお前の協力が必要だ」
流されながらカルピスに言った。カルピスは水を吐き出し、俺の手を掴んだ。
「任せろ相棒。なんだってやってやる!」
笑いかけるカルピスに、ニヤリと笑って言った。
「ロボットをぶっ潰すにはロボットしかねぇよな! 行くぞ、ドリフトだ!」
遺跡の壁から水と共に勢いよく飛び出す。素早くインベントリを操作すると、大声で叫んだ。
「来い! ジプシー・デンジャー!」
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