最終章 付きまとう影

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「ごちそうさま」  和寿が満足して食べ終わると、小箱が静かに話し出した。 「佐藤那由ちゃんのこと、覚えている?」 「佐藤那由ちゃん? えーと、どこかで聞いたような……。うちの学校の生徒じゃなかったよな……」  つい最近、どこかで聞いたような気がする。 「思い出せない?」 「いや、待て、思い出せそう……。俺は、つい最近、その名前を……あ、そうだ!」  県内で発生している女子高生連続殺人事件。  確か、被害者の一人がそのような名前だったと思い出した。 「四坂高校の生徒だった子?」 「ええ、そうよ」 「数か月前に自宅で変死体で発見されて、犯人はまだ捕まっていない事件の被害者の一人だったと聞いているが、その子がどうかしたか?」 「佐藤那由は、小さいころよく遊んだ私の親友よ」  衝撃的な発言に一瞬思考が止まる。 「小箱の親友だったのか……」 「まだ、思い出さない?」 「これ以上、何かあるのか?」  和寿には心当たりがない。
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