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それで私から進んで一夜を共にしたけれど、帰り際に彼が私にお金を渡したときには正直悲しかった。でもそのあとよく考えてみたけど、それでよかったと思うようになった。
お互いに自由でいられるし、割り切ってHができる。それでお互いが癒されればこの方が良いかもしれない。
これじゃあ昔と同じだけれど、今の私にはHをしてくれる彼がいる安心感はある。ただ、月1は少し寂しい。
月2くらいは来てほしい。でも彼からするとお礼を考えれば、月1くらいが精一杯なのかもしれない。
金曜日の夜はお客が多い。グループでのお客も1組入っている。グループのお客は大概が2次会で9時ごろに来て11時ごろまでいることが多い。
そのグループを送り出して表で挨拶していると磯村さんが歩いて来た。目が合って挨拶を交わす。
「いらっしゃい、また来ていただいてありがとうございます」
「混んでいるの?」
「今のグループが帰られたので2人ぐらいです」
「じゃあ、一杯飲ませてもらいます」
止まり木で2人連れが話している。磯村さんに水割りを作る。彼はそれをゆっくり飲んでいる。
「ママ、静かになったのは良いけど、俺たちもそろそろ帰るよ」
「せっかく静かになったのにゆっくりしていってください」
「もう、終電が近いから」
二人は会計をすませて帰って行った。私はすぐに看板の明かりを消して、ドアをロックする。
「お待たせしました。また来てくれて嬉しいです。もう来てくれるころかなとは思っていました」
「長年の付き合いだから分かるんだ」
「大体わかります。部屋に上がりましょう」
部屋に上がるとすぐに磯村さんが私を抱き締めてくる。
「また、君に会えて嬉しい」
「私もです。シャワーを浴びて下さい」
彼が浴室に入るとすぐに入って身体を洗ってあげる。彼も私を洗ってくれる。私が髪を洗っているとバスタブに浸かっている彼が後ろから悪戯をする。
「止めて下さい」
「ごめん、つい手が出た」
「先に上がっていて下さい。すぐに上がりますから」
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