第1章 出会い

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第1章 出会い

まだ寒さが和らがない冬の終わり。 私は職場の最寄り駅で降りて、いつも通り職場へと続く道をまっすぐ歩いた。3月に入ったにもかかわらず、寒さは厳しく、早く暖かい春は来ないのか、と期待を込めながら緩やかな坂道を登る。職場は住宅街の中にあったため、スーツを着たサラリーマンやオフィスカジュアルな服装のOLさんとすれ違いながら、私はその緩やかな坂道を登っていった。その日もただいつも通りに坂道を登っていたはずだった。1ついつもと違っていたことは、後ろからコツコツ、とヒールで走る音が聞こえてきたことだった。私はふと妄想をしてしまった。声を掛けられたら面白いのになー、と。まあ、そんな漫画やドラマみたいなことあるわけないや、と思いながら足を動かす。その時だった。
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