なんでもない人

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ほのかにタバコの香を漂わせる君は たうたう空を眺めました。 ゆったり振り向くその姿はまるでこの世のものではないようで。 僕は君に近づかずにいた。 寂しげにゆらゆら揺れるまつげを目の上に携えながら。 何かを訴えるようなその顔は。 誰かに振り向いて欲しくて 誰かに振り向かれたくて 孤独な君の瞳にはなにも映らない 揺らめく彼女の瞳に映るは誰の姿か。 孤独を救うは何人(なにびと)か。 揺らぐ心に響くのは誰の言葉か。 僕は君のなんなのか。 どこに心があろうとも。 どこに魂があろうとも。 教えていつか君のことを
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