3 事故当日(実況検分)

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道路上にはブレーキ痕があるが、案の定、二車線両方に二本ずつ付いている。これは車と車の衝突事故で、私が現場を目撃したときにはすでに一台が運び出されていた。 ということは、私やほかの学生が想定していたより事故は早い時間帯に起きた。 我々学生は八時頃から学内に集まり始める。電車とバスの関係で、それ以前にはなかなか姿を見せない。 その学生たちがあらかた、一台目の存在を知らなかった。ならばその車がレッカー移動されたのが大体七時半。 搭乗者たちが搬送されたのが七時。 救急車の到着が六時半。 通報が六時。 衝突が五時半。 ...といのはあまりにも概算がすぎるが、いずれにしろ、ひとつだけ解った。 事故発生時、あたりは相当暗かった。 などとどうでもいい事を発見して悦に入る私を、薄曇りの冬の空が圧迫してくる。
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