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道路を見る。
二車線の道路は、正門に対し平行に走っている。つまり丁字路。
両方の車線にブレーキ痕があるのをさっき確認したが、その両方が、正門に向かって90度に曲がっている。
ちなみに、正門から遠い側のブレーキ痕が、友人の車によるものだと考えられる。単純に彼女の家の方向がそっちだから。
ということは、正門に近い側の痕跡が、衝突相手によるものだ。
相手の車の痕は、対向車線側にはみ出すことをしていない。
つまり、相手はよけただけだ。 私の友人を。
友人は車線からはみ出した。
その理由は簡単で、右折で正門に入りたかったから。
けども、対向車の確認がおろそかだった。
ブレーキ痕の短さから推測するに、対向車のスピードはそこまでじゃない。
道が曲がっているため、友人側から対向車はぎりぎりまで見えない。カーブミラーを頼りにするしかないが、当時道は暗かった。
とはいえ、初冬の五時半だ。明るくなる兆しはあったかもしれない。
相手はライトを点けていなかったかもしれない。
そのせいで友人と恋人はぐしゃぐしゃになってしまった。
というより、『そのおかげで友人と恋人はぐしゃぐしゃになれた。』
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