令和元年5月某日

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「あー、やれやれ」 バイトを終えて帰宅した私は、ドサッと大きな音を立てて自分の部屋のベッドに倒れ込む。一日の疲れからか、しばらく動けない。 ようやく寝返りを打ち、仰向けになり、ベッド脇に転がるバッグからスマホを取り出した。 寝転がったまま、スマホを操作する。 (美咲があんなことになるなんて、ちょっと怖いわ。先輩まで悲惨なことになってるし) 〈ru - mors〉は本当に完全に消えてしまったのか、文字列を変えてみたり色々試して探すのが、私のここ一ヶ月ほどの習慣となっていた。 (今のところ、復活もなさそうね。跡形も無く消されるなんて、アメリカのFBIだかCIAだか知らないけど、やっぱりすごいのね) 私は気分を変えて音楽でも聴こうと、スマホを枕元に置いた。イヤホンを付けていると、ピコン! と音がする。 メッセージが届いたようだ。 開いてみると、キャシーからだった。 『菜々子さん、こんばんは 新しいサイトが見つかりました これも近日中には削除されるでしょう でも、菜々子さんには教えておいた方がいいかな? って思って』
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