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改めて先生が机のそばにしゃがんだ。目の高さが合う。
「あなた・・卒業生の・・」
「・・え?」
「昔の学校の制服ね?どうしたの?就職先でなにかあったの?」
・・え。なに。就職先?わからない。
「・・・お医者さんにはかかってる?自宅に家族はいる?」
・・医者なら・・。
「・・医者は・・週一で・・」
「・・そう、少し安心した」
「・・せんせい・・あの・・?」
「・・・大丈夫よ、心配しないで」
「・・?」
「・・うちのムスコも、今、休職中なの。こころと身体を休めなさいって」
だんだん先生の顔が、昔の記憶と重なって、キラキラ若くなっていく。
「見つけたのが私で良かったわ。ムスコの事も、少しは役に立つのね」
「せんせ・・?」
「とにかく、家に帰った方がいいわ。立てる?」
「・・はい・・」
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