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推し増える
「はせぴょん、お疲れ様ーいやーライブ良かったよー」そう言って彼は千晃さんの背中を強く叩いた。
千晃さんは少し気分が悪そうに「そう言ってもらえると嬉しいです。」と苦笑いだった。
伊賀さんが私たちの方を向き、物販の呼び込みのため再び大声を上げる。
すると私を見つけ、小声で小さく手招きをした。
「こっち、こっち」
私は人混みをかき分け、前へ前へと進んでいった。
右隅のテーブル越しに耳元でこそっと、
「さっきはびっくりさせてごめんね。これ、お詫び」
こそっと渡されたのは、伊賀さんと千晃さんのプリクラ。
嬉しい…けどこんなもの渡していいの？複雑だけど一生分の宝物だよ…
私の中で推しが増えた瞬間だった。
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