電車で見かける彼に

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相槌を打つのがしんどくなってきた頃、お手洗いに席を立った。 軽くメイクを直してお手洗いを出ると 「あの人の相手、大変じゃない?」 斎藤さんがスマホを触りながら、壁に背中を預けて立っていた。 「あっ、はい。じゃない、いえっ!」 「あはは。本当のこと言っても大丈夫だよ。大沢さん酔うといつも自慢話始まるから」 「ですね…」 「悪い人じゃないんだけど、すみれちゃんなかなか戻って来ないから心配で見に来た」 嬉しくて顔が綻ぶ。 酔っているせいか感情の抑えが効かない。 「良かったら、ちょっと二人で抜けない?」
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