君のことは忘れない 第1話

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キミがいなくなって、どれくらい経つだろうか。 キミがいなくなったのは確か、僕が中学生の時だった気がする。 僕は、もう社会人として社会に出ているんだよ。 キミがいなくならなかったら、ずっと一緒にいられたよね? あ、こんな話を急にしてごめん。 僕は小網 瀬那〔こあみ せな〕。 22歳だ。 さっきから言っている“キミ”というか人物は、今はこの世にいない。 彼女が死ぬまでの話を、今から話す。 彼女は僕の幼なじみだった。 名前は八神 凛〔やがみ りん〕。 八神神社の一人娘だった。 僕は神社の横にあるコンビニの店長の子供だ。 コンビニにの上の階には家を建てず、コンビニの裏に家がある。 凛とは家族ぐるみで仲良かったから、よく遊びに行ったり来たりしていた。 なんせ生まれた時から一緒にいるんだからね。 凛(3歳)「せなー!あしょぼー!」 瀬那(3歳)「うん!きょーわりんちゃんちだねー」 凛「おにごっこしよー」 瀬那「いーよ!」 凛はものすごく可愛い。 けれど、ものすごくドジだ。 だから神社で鬼ごっこするときには必ず転んで泣いていた。 その度に僕は凛を泣き止ませた。 凛(5歳)「せなー!ほいくえんいこー」 瀬那(5歳)「まってよー」 凛は保育園に入った時ぐらいからすごく活発になって、僕の口癖が“まってよー”になっていた。 そして、7歳になり、小学校に入学した。 言い忘れていたが、僕と凛は誕生日が同じで4月8日だ。 凛は運動も出来て、勉強もできる。 オマケに可愛い。 だから友達が多く、引っ込み思案だった僕は、学校では凛とはあまり話せなかった。 けれど、凛はそんな僕を仲間に入れて、ずっと一緒にいてくれた。 そして小学5年生にもなった頃。 周りの男子は女子をバカにし、男女でケンカばかりしていた。 その中に割り込み、ケンカを止めていたのは凛だ。 凛が何度もケンカを止め、男女のケンカも少し減った。 僕は、毎日凛と帰っていた。 それをクラスの男子に見られて、学校で変なウワサが流れた。 『八神 凛と小網 瀬那はカップル』と言うデマが流され、凛も僕もハブられるようになった。 凛は、「ちがう、付き合ってない、瀬那はただの幼なじみだ」ってなんども誤解を解こうとしたが、ウワサは広まるばかりで、ついには他の学年にまでウワサが広まった。
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