死んだ翌日

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 一応検索してみたが、『樹海』に関するどのような有益な情報も得られなかった。確かめる方法はある。あの『樹海』行きのバスが出るバス停が存在するかを見に行けば良い。ネット上の情報ではやはりあの場所にバス停など実在しない筈なのだ。  はっきり言って気が乗らなかった。あの不思議な空間の存在を肯定しても否定しても僕に利益があるようには思えない。しかし死に繋がるあの激痛と、それを重ねられる恐怖感は二度と体験したくないものである。  モチベーションとなり得るのはあの女の子くらいのものだろう。金髪と赤いワンピースと白い腕。足元はどのような靴を履いていたのか覚えていない。背の高い草原だったのでよく見えなかったのだ。  ろくなやりとりがなかったけれど、それでも十分彼女は魅力的だった。「いってらっしゃい」と送り出されるのは悪くない。  それでもまたあの理解不能な事態に巻き込まれるのは歓迎したくないことである。しかし僕にはあのバス停に近づく予定があった。  『マカロニ』はアルバイトで働く僕の職場で、本日昼のシフトに入っているのだ。 ○○○ 「じゃあよろしくね」  西片さんは引き継ぎを手早く終えると僕を残して店を出た。カランカランとドアについた鐘が鳴り、小さめのボリュームで流れるBGMが僕がこの店内にひとりでいることを実感させる。  窓から外を眺めると、例のバス停が目に入る。現在バスは停まっていない。どうやら夢ではなかったらしい。     
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