空腹感

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 僕は白河さんから袋のようなものを受け取った。中には『大きな肉まん』と足踏みスイッチ、そしてメダルが入っていることがわかる。 「いってらっしゃい」と彼女は言った。  そして気づくと姿を消していた。白河さんが立っていたあたりに下り階段が出現している。  もう少し彼女と話し、あわよくばこの世界の情報を得たいと思っていたが、そんな話題を出す間もなく白河さんはいなくなってしまった。いくら周囲を見渡したところで草原が広がっているだけだ。  青い空を見上げ、大きくひとつ息を吐く。わかっていたが、どうやら行くしかなさそうだ。  僕はその階段を下りた。 ○○○  地下1階。  僕の両手は空いている。  予想通り、僕は教室ほどの広さの部屋にいた。周囲にアイテムは落ちておらず、モンスターの姿も見当たらない。手に持っていた筈の袋のようなものは腰にカラビナで固定されている。“体力”も“ちから”も前回と同じだ。レベルも1に戻っている。  何もかもがやり直しというわけだ。僕に与えられたのは前回の経験による知識だけ。まさに経験値といったところだろうか。この世界がどうなっているのかは知らないが、ゲームのようなものだとすると、何かクリア条件のようなものがある筈だ。ノウハウのようなものを構築する必要もあるかもしれない。     
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