空腹感

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 しかし、おそらく僕は2度とこんなところには来ないだろう。白河さんと会えるのは魅力的なことかもしれないが、あんな短い面談時間のためにその後の苦痛を許容する気にはならない。もちろん僕は死にたくないので、今回も精一杯の努力はするつもりではあるが。  僕は部屋から通路に進み、道なりに歩いて次の部屋に行き当たった。モッツァレラとコットンが1体ずつその場を離れず動いている。草のようなアイテムも落ちていることが僕にはわかった。  モッツァレラの方が僕から近く、“行動”2回分の距離にいた。つまりお互いが歩み寄ればすぐに隣接できる距離だ。ふたりの間に罠のようなものがなければの話だが。  少し考え、僕は足踏みスイッチを2度押した。移動していないため罠を踏む可能性はない。そしてモッツァレラの方から近寄ってくれるため、先制攻撃を加えられる。 『ケイタの攻撃! モッツァレラに4ポイントのダメージ!』 『モッツァレラの攻撃! ケイタに2ポイントのダメージ!』 『ケイタの攻撃! モッツァレラに4ポイントのダメージ! モッツァレラをやっつけた!』  そんな感じだ。  2ポイント分の痛みが生じている。僕はそれを抱えながら、隣接の距離に近づいてきているコットンと対峙した。棍棒のようなものを担いでいる、ぬいぐるみのような見てくれだ。名前からすると綿棒なのかもしれないが、そこから受けるダメージはモッツァレラの体当たりよりも少し多い。     
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