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お先真っ暗
地下3階。
僕の両手は空いている。
これまでと同じく僕は教室大の部屋に立っていた。しかし雰囲気が少々異なる。壁や床の色合いがこれまでの2階とはやや違って見えるのだ。おそらく空腹への恐れがそう見せるわけではないだろう。
だからといって、何か対策が取れるわけではない。僕は大きくひとつ息を吐き、部屋の様子を把握した。
武器のようなものが落ちている。喜ばしいことである。それと引き換えということだろうか、見たことのない動くぬいぐるみが1体配置されていた。
幸い時間はたっぷりある。僕はこのおそらく敵対するであろう物体を観察してみることにした。頭部が大きく、つるつるとした柑橘類のような見てくれだ。ミカンやオレンジというよりはグレープフルーツに近いだろうか。
コットンのように武器のようなものは持っておらず、どのような攻撃方法を取ってくるのか想像がつかない。それを見ることがなければ何よりだが、と、期待できそうにない希望を胸に、アイテムと敵との位置関係を考えた。
武器のようなものが近い。仮に拾って装備するのが“行動”にカウントされるとしても、おそらく用意して対峙できるだろう。
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