プレミアムフライデー・ナイト

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坂上先生は絶対、浅野さんだろうなぁ。 年下の、特に可愛い系が大好きな坂上先生は、今頃心のなかで、里美ちゃんに親指を立ててそうだ。 わたしは浅野さんを除外へ変更し、正面へと視線を戻した。 向かいの滝本さんとぱちっと目が合い、一応軽く微笑んでみると、滝本さんも笑顔を返してくれる。 黙っているとムスッとして見える彼のその笑顔は、それもあってか余計に可愛く感じた。 一番タイプなのは、滝本さんだなぁ。 佐伯さんと滝本さんの軽快なやり取りを聞きながら、そう思う。 二重だけど大きすぎない目が涼しげな、今流行りの塩顔のあっさりイケメン。 長過ぎない髪、切り揃えられた爪、皺の寄っていないスーツ、見た目にちゃんと気を遣っているのだろう、清潔感があって、ネクタイとシャツのセンスもいい。 佐伯さんとのラリーは面白いし、頭の回転も良さそう。 佐伯さんが言った“性格が悪そうな感じ”は、確かにしないでもないけど。 そんなことを考えていたら、その滝本さんが急に話を振ってきた。
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