プレミアムフライデー・ナイト

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「その発言が最悪だわ。でも正解」 佐伯と俺とで顔を合わせて笑うと、横から浅野にメニューを取り上げられる。浅野はメニューを団扇代わりにして自身を扇ぎながら、背中にあるクッションをもう片方の手で持ち上げた。 「これ、邪魔じゃない? 必要なくない?」 俺を挟んで、佐伯が浅野の方に身を乗り出す。 「いや、これ多分女の子が胸の前で抱えて、はー酔っちゃった、とか言う用のやつだから」 俺は浅野から、そのクッションを取り上げて抱えてみた。「はー酔っちゃった~」と言いながらわざとらしく首を傾げると、両隣の二人が俺を見てけらけらと笑う。 「充輝、お前マジで性格悪い」 「お前もな」 小突き合っていると、テーブルの上に置いてあった佐伯の携帯電話が振動した。 「あ、何か迷ってるみたい。ちょっと行ってくるわ」 携帯電話をポケットに捻じ込みながら、佐伯は立ち上がった。
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