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「わたし、イケメン以外無理なんだけど、ちゃんとイケメン来るよね?」
「うーん、どうですかねぇ。一応そう伝えてはいますけど、坂上先生、好みうるさいからなぁ」
「ちょっと、今日は先生呼びは止めてって言ったじゃない」
「あはは、すみません。つい癖でー」
里美ちゃんは悪びれもせず言って、坂上先生の下の名前、“麻里奈さん”をこれ見よがしに何度も復唱する。
ドタキャンにより急遽出来た空きの枠に立候補して入れてもらったくせに、今はもう全く乗り気でなくなっているわたしは、そんな二人を横目にため息と一緒にぽつりと落とす。
「年下とか、ほんとないわ……」
「もー、彩葉さんまだ言ってるー。別にいいじゃないですかぁ。一個くらい」
「全然、くらい、じゃないから」
「ちょっと、彩葉。だったら、わたしはどうなるのよ」
「坂上先生は元より年下好きじゃないですか」
わたしがそう言うと、わたしより二個上の坂上先生は、まぁそうだけど、とにやっと笑った。
年下男子をこよなく愛する坂上先生は、普段から年下男子の魅力をわたしによく語っている。
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