第2章

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第2章

 センパイとの朝の勉強会は毎日続いた。  バスで登校する雨の日はセンパイと一緒に学習ラウンジに行き、自転車で登校する晴れの日は学習ラウンジで集合する。  センパイと肩を並べていても、ほとんど話をすることもなく、それぞれの勉強をする。それでも、分からないところがあって声を掛ければ、センパイは嫌がる素振りも見せず、丁寧に教えてくれた。  センパイの教え方はとても分かりやすい。もしかしたら、先生に聞くよりも理解できるかもしれない。それをセンパイに言ったら「私もつまずいたところだからかな?」と八重歯を見せて笑った。  センパイとの朝の勉強会が1カ月程続いた頃に期末試験となった。もちろん、試験期間中も朝の勉強会は続いた。試験期間中は、学習ラウンジに来る人も多くて、私は少し戸惑ったけれど、センパイはいつもの通りマイペースだった。  テストではちょっと手ごたえを感じられた。だが、確信は持てなかったから、テスト結果が返ってきたとき、心の中でガッツポーズをしていた。予想していた以上にいい結果を出すことができた。  授業で分からないことがあっても、翌朝の勉強会でセンパイに教えてもらうことで理解できる。分からないところをすぐに潰したから、毎日の授業にも無理なくついていけるようになった。  それに、センパイに恥ずかしいところを見られたくないから、自宅でも真面目に予習や復習をするようになっていたのも結果につながったのだと思う。  センパイと勉強会をするようになって、以前よりきちんと勉強していたのだから、当然の結果だったのかもしれない。だけど、私はその結果が飛び上がるほどうれしかった。 「ニヤニヤして、そんなに結果良かったの? 見せてよ」  藤花が肩を組むようにして私の結果票を覗き込んだ。
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