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「それではプログラム10番 3年有志によるバン ド『cool』による演奏です」
アナウンスと共に拍手が巻き起こる。
一輝がマイクを持ち、口を開いた。
「初めまして。俺達は結成3か月の寄せ集めバンド『cool』。名前の由来は……何となくかな」
会場から笑いが起きる。
「じゃあメンバー紹介します。まずはギターの葛城。葛城の顔に見とれてないでギターにも注目。彼の音は本当にすごいから聞き逃さないで」
「キャー葛城君、頑張って」
女子達の黄色い悲鳴が次々に上がる。
「みんな落ち着いて。次はベースの充。ベース歴は短いけど、性格そのままの明るい演奏をするから一緒に楽しんで」
「みつるー、期待してるぞ」
男子の声援に充が手を上げて応える。
「低い声援ありがとう。次はドラムの卓也。バタフライで県大会優勝するほどの水泳バカの卓也がドラムを叩くなんて想像してかなっただろ?力強いリズムと上半身の筋肉は聞きごたえと見ごたえありだから」
「卓也、カッコいい」
「俺にも筋肉分けろー」
一輝の紹介を聞いてニヤリと笑うと、卓也は来ていたTシャツを脱ぎすてた。キャーとかうぉーとかの謎の悲鳴が上がり、ヤりすぎだと一輝が睨む。
悲鳴がおさまると、一輝は一珂の隣に移動した。
「そしてキーボードのイチ」
「誰だ?、見た事ないぞー」
「本当に高校生?可愛いんだけど」
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