fff《フォルティッシッシモ》

11/24
前へ
/98ページ
次へ
「あら、今日はお友達も手伝ってくれるの?」 真山に予備のエプロンを渡していると、接客をしていたおばさんが声をかけてきた。 「同じ大学の真山です。バイトが休みになったので連れてきたんですが良かったですか?」 「もちろん、うちは大助かりよ。真山君よろしくね」 「すみませーん」 おばさんと話していると、女子高生に呼ばれた。 「いらっしゃいませ。何になさいますか?」 「何にする?どれも美味しそう」 「うん、迷うね」 店先で売っているスムージーが学生に人気で、学校終わりの時間が一番忙しい。10種類の凍らせたフルーツから3種類を撰び、牛乳、蜂蜜と一緒にミキサーにかける。牛乳をオレンジジュースに変えることも出来て値段も200円とお手頃なので、これから夏にかけてますます流行りそうだ。 「マンゴーとバナナとリンゴを牛乳でお願いしましす」 「はい。そちらのお客様は?」 「私はイチゴと牛乳で……ハチミツを練乳に変えるのは出来ますか?」 「大丈夫です。ではすぐにお作りしますので、お待ち下さいね」 一珂は2つあるミキサーにそれぞれの材料を入れ、スムージーを作っていく。 「こちらがマンゴーのスムージー、こちらがイチゴのスムージーになります」 「うわぁ、きれい」 「私のはかわいい」 女子高生からお金を受け取り商品を渡すと、女子高生達はキャアキャアはしゃぎながら帰って行った。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加