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生徒会室に並ぶ、長机の上に山積みになってるたくさんの資料を仕分けし始めつつ
頭の中でぐるぐる考えてると
「手が止まってるよ、グズサトシ」
僕を見下ろした会長の恐ろしい声が、俯いて作業してた僕の頭上から降ってきました。
「はうっ!スミマセン!小鹿顔でスミマセンッ!」
「はあ?突然何について謝ってるんだ」
「ギャッ!だから僕が小鹿でグズで仕事できなくてそれで」
「うるさい!」
慌てて自分でも何言ってるかわかんなくなってきた僕は
会長の怒りに満ちた一言に一蹴されてしまいました。
怖いのに。
怖くてたまらないのに。
僕に向けられてる
美しくも鋭い視線に背中がゾクリとします。
「もういい。俺は今、仕事ができないサトシのせいで
とてもイライラしている。どうにかしてくれるよな」
「えっ!!」
「まともに資料をまとめることもできないんだから、仕方ないだろ。
仕事ができないんだったら、その代わりに下僕らしく俺に奉仕しろって言ったよね」
「は、はい」
「じゃあ、そこに跪け」
今日もですか(泣)
溜息とともに呟いてしまいました(心の中で)。
ですが、僕が生徒会副会長としての仕事ができていないことは事実です。
その尻拭いをしてくださっているのは会長で。
僕にできるのは、お疲れの一ノ瀬会長のことを癒して差し上げることくらいしかないのは事実です。
そうして僕は、これからまた自分が行うことに対して異様にドキドキしつつ
一ノ瀬会長の長くて美しい足の前に素直に跪きました。
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