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デリカシーのない言葉が、震えた声を湿らせる。
でも、私はそんなこと気付かない。
気付いたりなんて、絶対にしていない。
ぽちゃんぽちゃんと、こいつの飲んでいるしょっぱいスープの塩分濃度が増し続けていることも、私は全く、気付いてなんかいないんだ。
「……今日のラーメン、なんかえらくしょっぱいな」
「……おそろっちじゃん。わたしのも、同じ味してるよ」
「はは、ほんと、気が合うな」
「……うん」
明日もきっと、わたしはこいつとラーメンを食べる。
連続は飽きるな、なんて言いながら、結局一滴残さず全部食べるんだ。
お互いに、腫れた目で、またぶっさいくな顔を付き合わせて。
同じ味の、味噌ラーメンを。
ねえ、でも、そんな不恰好な放課後を過ごすのは、悪い気はしないよね。
きっとあんたも、そうでしょう。
Fin.
((でもやっぱり連続は飽きるから、明日はバターを乗せようか))
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